自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
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理念・政策・メッセージ

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2012.02.19

「自宅を担保に老後資金を確保するリバースモーゲージに着目」

〜社会保障制度の揺らぎを現物資産流動化で補完〜


 安曇野市内の飲食店業の方と話をする中で、2012年の正月が明けから客足がばったりと途絶えたとの悲痛な声を聞いた。これまでは観光客の増減はあったものの、地元のミドルクラス家族の固定客層の足が遠のいたとの話であった。市内の料理屋の中には25年続いた店を閉店せざるを得ないとの判断に傾いているところもあるのだそうだ。


 住民の皆さんの財布のひもがきつく締まってきている影響が、地域で飲食店などの商売をしている皆さんには直接影響する事態となっている。


 この節約志向は何が影響していると考えるかと聞くと、「景気の低迷」、「サラリー・年金額減少の予感」、「消費税増税を見越しての節約姿勢がそこにはあるとの指摘があった。


 税と社会保障の一体改革の中で、社会保障の給付を抑制し、併せて消費税を上げる、その前提として公務員給与などを削減するという手法が、それ自体はやむを得ない政策選択だとしても、実態経済的には、既に市井の経済においてミクロの影響が出始めているということなのであろう。


 さて、老後の生活を支える社会保障制度への信頼が揺らぎ、手元流動性に不安が生じかけている中で、果たして生活を切り詰めることでこの事態を凌ぐしか手はないのか、との論点が、件の飲食店主との間で議論になった。


 私から、その飲食店主の方に、実は生活を過度に切り詰めなくても凌ぐ手法があるのです、との解説をさせて頂いた。それは、リバースモーゲージという制度(直訳すると「逆・住宅ローン」)であり、通常の住宅ローンが時間の経過とともに残高が減るのに対して、債務が徐々に増えるために「逆・住宅ローン」と訳されている仕組みである。


 リバースモーゲージは、自宅を担保とした金融商品であり、自宅という資産はあるが現金が少ない高齢者世帯が自宅を手放さずに資産を流動化(現金調達)ができる手段である。公的主体が行うものと民間金融機関が行うものがあり、前者は武蔵野市の仕組みが有名であり、後者は東京スター銀行の商品がよく知られている。


 自宅を抵当に入れ、年金や一時金で現金を受け取る。返済は本人が死亡した時点で担保となっている資産をローンの貸し手が売却することで返済される仕組みであり、高齢者が現役時代に蓄積した現物資産を自らのために老後現金化する機能を有する。


 公的年金が先細る中で、生活を切り詰めずに自助努力で一定の水準の生活レベルの維持が可能となる。住宅リフォームのための資金、老人ホームへの入居費用、生活資金といった資金需要に自らの資産を活用して応えるものであり、殊に最近は公的年金への信頼が揺らぐ中でこの仕組みに注目が集まっているとの話を差し上げた。


 この制度の活用により、相続人の相続財産は減じることになる。しかし、本来は子が親の生活を佐々えなければならないところを、親が自分の現物資産を自分のために活用するのであるから、子供としてはそのような親の選択に異論は挟めにくいであろう。


 また、この仕組みには、金利の変動、不動産の価格変動、予想外の長生きといったリスクがあるとされているが、日経新聞の清水功哉編集委員によると、米国には担保評価額の下落リスクなどに対処する公的な保険制度が存在するとのことである。


 税と社会保障の一体改革の中で、ともすれば社会保障の抑制と増税のみに焦点が当てられがちであるが、大きく視野を広げて、日本人がこれまで苦労して培ってきた資産を活用することで、1400兆円の個人金融資産を外国のヘッジファンドの原資として使わせるのではなく、高齢化社会にふさわしく国内の生活密着型分野に資金が適切に流れるように、政府も民間も更に知恵を出さなければならない。リバースモーゲージの普及には先述のリスク回避の公的保険公的枠組みなどの公的枠組みの整備も必要不可欠なのである。


 この話をすると、件の飲食店主の方も、効果が出るのはだいぶ先かもしれないが期待できそうでもあり、早くあなたが国会に行って制度を作って欲しいと笑って要請された。


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