理念・政策・メッセージ
2026.02.23
「生坂村の脱炭素先行地域 × ワット・ビット連携」
私は、生坂村の脱炭素事業の取り組みを支援するために、地域活性化起業人(副業型)として、この半年間、生坂村の取り組みをお手伝いして来ました。その間、私なりに頭の整理をしつつあり、生坂村の脱炭素先行地域の取り組みを、高市総理が施政方針演説の中でも触れられた「ワット(電力)×ビット(情報)」連携の視点に立ち、体系的な観点から立ち読み解いてみました。
1 生坂村の脱炭素先行地域 × ワット・ビット連携
生坂村の取り組みは、環境省が選定した脱炭素先行地域の中でも、「分散型エネルギー+情報制御」を組み合わせたモデルとして特徴が際立っています。ここでは、以下の情報を基に生坂村の取り組みをワット・ビット連携の視点で整理してみます。
・ 生坂村の脱炭素先行地域の概要(オンサイト/オフサイトPPA、マイクログリッド構築、木質ペレット工場等)
・ 脱炭素先行地域づくり事業の説明(再エネ導入、EV普及、地域エネルギー会社「いくさかてらす」設立)
・ マイクログリッド構築事業の内容(レジリエンス向上、地域経済への貢献)
2 「ワット」=生坂村が整備するエネルギー基盤
生坂村は、以下のように分散型電源を村内に最大限導入しています。
■ 再エネ導入(太陽光+蓄電池)
・ オンサイトPPA:民家・施設の屋根に太陽光を設置
・ オフサイトPPA:屋根が使えない需要家へ遊休地で発電した電力を供給
・ 蓄電池整備:平時の効率化+有事のバックアップ電源
■ 自営線マイクログリッド
・ ブドウ圃場・民間施設をつなぐ民間裨益型マイクログリッド
・ 災害時の自立電源として機能し、地域レジリエンスを強化
■ 木質ペレット工場
・ 未利用森林資源を活用
・ ペレットストーブ導入で熱利用の脱炭素化
これらはすべて「ワット(電力)」の側の取り組みと言えます。
3 「ビット」=情報を使った制御・最適化
生坂村の取り組みは、単に再エネを置くだけでなく、情報(ビット)を使って電力(ワット)を賢く運用する仕組みが組み込まれています。
■ 需要家データの収集と最適制御
地域エネルギー会社「いくさかてらす」が中心となり、
・ 需要家の電力使用量
・ 太陽光の発電量
・ 蓄電池の残量
を把握し、最適な電力供給・充放電制御を行う。
■ マイクログリッドの情報制御
マイクログリッドは、
・ 平時:再エネ優先の最適配電
・ 有事:重要施設への電力優先供給
といった状況判断を情報システムで自動化する。
■ EV・再エネの統合管理
・ EVの充電タイミング
・ 太陽光の余剰電力の活用
などを情報で制御することで、村全体の電力需給を平準化。
4 ワット×ビット連携で生坂村が実現する価値
@ 再エネの最大活用
太陽光の変動を、蓄電池・EV・需要制御で吸収。
→ 再エネ比率の最大化
A 災害に強い村づくり
マイクログリッド+蓄電池+情報制御により、
→ 停電時も地域が自立して電力を確保
B 地域資源の循環(木質ペレット)
森林資源の活用を情報管理と組み合わせ、
→ 林業再生+熱利用の脱炭素化
C 地域経済の活性化
地域エネルギー会社の設立により、
→ エネルギーの地産地消+雇用創出
5 生坂村モデルの本質
生坂村の脱炭素は、単なる「再エネ導入」ではなく、「エネルギーをつくる村」から「エネルギーを賢く運用する村」へという転換を実現しています。これは、「ワット(電力)×ビット(情報)」連携の典型例と言えます。
生坂村の脱炭素先行地域の取り組みは、分散型エネルギー(ワット)と情報制御(ビット)を統合することで、再エネの最大活用と災害に強い地域づくりを同時に実現する「農山村型スマートエネルギーモデル」と位置付けられます。この野心的な取り組みが成功するように、私も引き続き「伴走支援」して参りたいと考えています。
