理念・政策・メッセージ
2025.09.01
「高妻山登頂記」
2025年8月24日に戸隠連峰の奥に控える日本百名山である高妻山に登ることが出来ました。未明に松本を発ち、戸隠のキャンプ場に向かい、そこを起点に戸隠連峰の高妻山に登り始め、昼前に高妻山の頂上に立つことができました。日本山岳会信濃支部の山行行事で、学生時代にトライアスロンをやっていた31歳の女性リーダー、75歳の屈強な登山家と共にチャレンジしました。私のペースに合わせた結果、往復に11時間を要しましたが、何とか所期の目的を達成することが出来ました。
それにしても標高2,353mの高妻山登頂は非常に厳しいものでした。3リットル以上の水を消費し汗が滝のように流れました。体に蓄積した濁毒が絞り出されるような気分にもなり、何と言って登頂の達成感は得難いものでした。
長野県長野市と新潟県妙高市に跨る標高2,353 mの山は、戸隠連峰の最高峰で戸隠裏山の一峰です。「戸隠富士」とも呼ばれ、「日本百名山」を著した深田久弥氏は「気高いピクセル(小尖塔)」と形容しています。高妻山は古くは山岳宗教の修行の山で、その名残として各所に小さな石仏とともに地名が残されています。一不動、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七観音、八薬師、九勢至と続き、十阿弥陀を経て山頂に到る登山道は山岳信仰の歴史と文化を感じさせます。
一方で、登山ルートは急峻で、累計標高差1500メートル、長野県発行の信州山のグレーディングでは4Dとなっており、「1泊以上が適当・危険箇所が多い」に分類されています。ルート中に宿泊施設がないため、初心者や体力に自信のない人は入山を控えるべきであるとされています。深田久弥氏も「高妻山への長い登りは急峻で、実に辛かった。ようやく頂上に達して私の喜びは無上であったが、もう乙妻まで足を伸ばす元気がなかった」と述べているほどです。
私にとっては、1年前の2024年7月21日の有明山(標高2268m)登頂以来の難関制覇となりました。全国山の日協議会副会長として、これからも体力が続く限り、山に親しんで参りたいと思います。