自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
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理念・政策・メッセージ

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2019.02.17

「最低賃金の全国一律導入を目指す理由」


 年末年始に地元をしっかり回り、地元の思いをしっかりと受け止めてきました。多くの皆様が懸念している最大の課題は、地域社会の人口減少、特に若者の減少の影響をどうやって乗り切っていくのかとの問題意識でした。特に若者が都会に集中している現状をどうやって逆回転させるのか、政府の対応を求める声が強いと感じました。一極集中を是正する手段は様々なものが提案されています。私自身も、子供の頃から農山漁村体験を教育課程に組み込む制度、若者を中山間地に誘う受け皿として事業協同組合の仕組みを活用する制度などを議員立法で実現する構想を練っていますが、より抜本的な制度として、何が最も有効に作用するかを考え抜いてきました。


 その中で、予てより、最低賃金が都会ほど高く、地方ほど低い現状では、若者がよりよい給料を求めて都会に集まるのは当たり前だと考え、自民党の厚生労働部会や働き方改革の議論の場などで、最低賃金の全国一元化を主張してきました。それに対して、厚生労働省の返事は、「最低賃金は生活保護の施策との整合性に配慮して地域別に定めるべきもの」というものでした。確かに、生活保護は地域別に差があります。だから最低賃金もそれに連動させるというもののようです。自民党の国会議員も、「地方の事業者は都会並みの最低賃金の支払いに耐えられない」との反応がありました。議論はそこで止まってしまっていましたが、これだけ若者の一極集中が国家的課題となっている中で、地方に居住する若者の給料は低くてもいいんだと言わんばかりの国の制度がまともだとは思えません。若者の地方移住を促すためにも、少なくとも最低賃金の全国統一が必要だと信念を深めていたところ、衛藤征士郎代議士、山本幸三代議士と懇談する機会があり、私と同じ問題意識をお持ちであることを知り、最低賃金の全国一元化の議員連盟設立に誘われました。そして、衛藤会長、山本幹事長の元、事務局長を拝命することになりました。


 そうしたところ、「新・観光立国論」、「新・生産性立国論」で日本社会に新鮮なインパクトを与えてきたデービッド・アトキンソン氏から新著の「日本人の勝算」という本を頂き、読ませて頂きました。その中で、アトキンソン氏は、最低賃金の段階的引き上げで、世界4位の人材評価に見合う水準の給与(現在は先進国で最低クラスの最低賃金)を出すことを経営者に強いることで日本経済の生産性は増し、人口減少の中でも今の社会保障を維持できるとの主張をされています。英国の最低賃金の段階的引き上げにより生産性を高めてきた実践を検証し、最低賃金の引き上げこそが購買力を上げ、国の生産性を上げることにつながるとの主張をされています。一方で、韓国のように一挙に16%もの最低賃金引き上げを行うことは経済活動に与える負担が大き過ぎ、段階的な引き上げこそが有効であると指摘されています。


 アトキンソン氏は、その上で、日本のように狭い国で交通網が発達している国で最低賃金を都道府県ごとにバラバラに設定したら、労働者は最低賃金の低いところから最も高い東京に集中するのが通理で、実際にそうなっていると指摘されている。衝撃的な指摘もあり、「県別の最低賃金との相関が最も強いデータは県民総数」であり、「最低賃金が低い水準で長年放置されてきた結果、その県から徐々に人が減っていってしまった」との分析には愕然とします。もともと経済的基盤が弱い自治体は現実に即した低い最低賃金を設定した結果、労働力の流出を招き、その結果さらに経済基盤が弱体化し最低賃金を抑え続けなくてはいけないという悪循環が生まれたという分析です。


 始まったばかりの通常国会では、このところ、毎月勤労統計の問題に絡み、過去の実質賃金がプラスなのかマイナスなのかというミクロ単位の論戦が行われていますが、この際、生産労働人口の急激な減少という局面では、パラダイムシフトが求められていると認識し、国の政策で最低賃金を段階的に引き上げ、日本の労働力の人材評価に見合う世界水準との比較でそん色のない水準の最低賃金を全国一律で導入していくことで、日本経済の生産性向上をもたらし、それにより社会保障負担の増大に備える経済基盤を作ることを目指し、議員連盟の活動を活発化させていきたいと考えています。


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