「「山の日」記念式典に環境副大臣として参加して思うこと」

 8月11日午前中、山形県山形市で開催の第6回「山の日」記念式典に環境副大臣の立場で出席し、前日の同県上山市で開催の「山の日」前夜祭では「山の日」議員連盟事務局長の立場で挨拶をさせて頂きました。

 思えば、2012年の初当選直後に、長野県の山岳関係者から「山の日」を国民の祝日として位置付けて欲しいとの要請を受け、山好きの谷垣禎一代議士(当時)に相談したところ、衛藤征士郎代議士を会長に超党派議員連盟を作って中身を検討するようにアドバイスを受け、地元選挙区に北アルプスを抱えている私しかこの大仕事を引き受ける議員はいないと勝手に思い込み、議員連盟の事務局長に就任し、議員連盟の会合で頻繁に関係者からヒアリングを重ね、上高地では議員連盟の合宿勉強会を行い、怒涛の如くの勢いで祝日法の改正に漕ぎつけ、2014年に「山の日」は国民の祝日として制定されました。

 全国「山の日」協議会という団体が誕生し、「山の日」を盛り立てて行く母体としての機能が始動し、私自身もその役員に就任し、2016年からの「山の日」の施行に合わせ、「山の日」の全国大会が開催されることとなりました。第一回は、光栄なことに私の地元の長野県松本市の上高地という世界的景勝地で開催され、当時の皇太子殿下であられた天皇陛下ご家族に御参加頂けるという望外の光栄に浴することができました。

 そういう経緯があるだけに、今回、環境副大臣の立場で記念式典で挨拶をさせて頂いたことは、身に余る光栄と機会を与えて頂いた関係者に感謝申し上げたい気持ちでいっぱいです。

 「山の日」が誕生して以来、山の日が近づくと、マスコミが「山の日」にちなむ特集を記事にしてくれ、山岳地域は少なからず活性化してきていると感じています。コロナ過で最近の3年ほどは山岳地域もダメージを受けていますが、何とか乗り切れることを願っています。

 「山の日」記念式典は初回の長野県以降は、栃木県、鳥取県、山梨県、大分県、そして今年の山形県と、しっかりと引き継がれてきました。2020年にはコロナ過で一年の順延を余儀なくされましたが、何とか引き継がれてきています。私は、「山の日」制定に汗をかいたものとして、「山の日」記念式典には初回から連続して参加してきています。それぞれの地域とも、地域ごとの創意工夫で印象深い式典内容を作り上げて頂いており敬意を表します。

 今年の山形県は、山形県内の皆様の山を守る活動報告の紹介が素晴らしく、感動して聞き入りました。東北を代表する蔵王で冬の樹氷で有名なオオシラビソが枯死している現状を憂慮する報告もあり、その復活に向けての地道な試みも伺いました。

 「山の日」制定により、こうした山岳環境の保全と活用について、より多くの皆様に関心を持って頂くことに繋がっている実感を得られ、「山の日」制定の意義を改めて感じています。こうした山岳環境の保全と活用について、体系だった目標を作り、その実現手段を明確にしていくために、山岳振興基本法(仮称)のような法律を作っていこうという構想もあり、山の日議員連盟でも議論していくことを検討しています。

 「山の日」の記念式典の後に、磐梯朝日国立公園に属する出羽三山の一部、羽黒山を訪問しました。ビジターセンターでパークボランティアの皆様と語らい、熊の出没話を伺い、熊の稀少性、生態系における熊の存在の意義についてもお話する機会を頂きました。更に、国立公園内にある出羽三山神社を訪問し、宮野直生宮司、阿部良一権宮司、太田慶春禰宜から神社の由来を伺う機会も頂きました。見事な茅葺き(重要文化財)、五重の塔(国宝)は圧巻で、こうした訪問機会を得られることも「山の日」のお陰だと、一つの仕組みを作ることによる広がりの大きさに我ながら驚いています。

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