自由民主党

衆議院議員 むたい俊介オフィシャルサイト 長野2区 自民党
https://www.mutai-shunsuke.jp/

  • トップページ|Top page
  • プロフィール|Profile and career
  • 理念・政策|My policy
  • 講演・著作・論文|Lecture,writing,thesis
  • 活動報告|Activity report
  • 選挙区の状況|Constituency
  • 後援会のご案内|Supporter's association
  • リンク|Link
  • ご意見・お問い合わせ|Tell me your opinion

理念・政策・メッセージ

[印刷用ページはこちら]

2012.10.06

「国会議員定数の半減と地方への影響」

〜大都市と地方の声の反映をどう考えるか〜


 地域を歩くと、「日本維新の会」の政策について話題にのぼる。その政策の中でも最も賛同を集めるのが「国会議員の半減」である。


 国民に負担を求める政策がオンパレードの中で、国会議員自らが身を削る努力が大幅に不足しているとの有権者の声は想像以上に強い。その意向にピンポイントで応える大胆な政策となっていることから評価が高い。


 私も国会議員の定数を大幅に是正することは賛成である。私自身は、当面、衆参合わせて200名の削減を主張している。しかし、過度に減らすことの影響も考えなくてはならない。特に、大都市と地方・農村という対比の中で定数是正の影響を考えなくてはならない。


 例えば、衆議院480名、参議院242名の定数を半減すると、衆議院は240名、参議院は121名となるが、有権者一人当たりの一票の価値を平等にする前提で各選挙区の割り当てを考えると、大都市地域の議席に比較し、地方・農村の議席が大幅に減じる結果となる。定数是正後の制度設計にもよるが、現行制度を前提にすると、例えば私の暮らす長野県で言えば、小選挙区選出の衆議院議員の数は5名が2名に減じることになると予想できる。長野県の参議院の地方区は4名が2名になるだろう。そうなると長野県選出の国会議員の数は、現在の9名が4名に減じ、減少率は56%となる。つまり、半減以上に減じるということである。それに比較し、人口の集中している大都市の減少率はさほどでもないことになる。


 こうした説明を農山村で行うと、それまで国会議員の数を減らせと言っていた人は急に静かになる。何故ならば、これらの地域には、他方で、「農山村の声が国政に反映されていない」、「大都市の人たちは俺たちの暮らしを理解してくれねえ」、との根強い不満があるからだ。


 過度な定数是正により、ますます農山村の声が国政に届きにくくなることにつながる事態を前に、有権者は怯む。時折、都会の議席がより大幅に減じるような改正にすべし、との反論がでるが、憲法上の制約があることを話すと、憤懣やるかたない思いが鬱積する。


 一見、多くの有権者の多くが飛びつきそうな政策公約も、それが実現された場合に自らの地域社会にどのような影響が生じるかについて客観的で冷静な議論が必要である。怒りや不満で重大な判断することは、結果的にそのつけが自らの身に降りかかることになる。2009年の政権交代選挙の結果、国民生活や外交安全保障が大混乱に陥って、かえって国民の不安が募ったことは記憶に新しい。


 ところで、「日本維新の会」の政策公約に地方交付税の廃止もある。消費税の地方税化との引き換えの提案である。最近、農山村の皆様に、定数是正の話に加えて、地方交付税廃止の影響について、このような政策が実現したら何が起こるかを説明する機会が多くなっている。地域で標準的に必要とされる財政需要とその地域で生じる地方税の差額を補填し、日本のどの地域に居住しても標準的な行政サービスを受けられる財源保障の仕組みが地方交付税であり、その機能は消費税の地方税化では代替できないと説明している。


 仮にその改革が行われたら、大都市地域に税収が集中し、地方都市や農山村は、大幅な財源不足に陥り、地方の行政水準を大幅に引き下げ、更なる人口の大都市集中をもたらすことになると説明している。


 そういう世の中を招来していいのか、についてよく考えて頂きたいとミニ集会などで申し上げると、「そういう説明は全く知らなかった」、「県や市町村からもそんな話は聞いたこともない」という反応が殆どである。


 こうした問題提起は、国政を目指す我々が当然主張すべき話ではあるが、一方で地域社会を守る立場にある地方自治体や地方議会は、国政選挙により国の大きな政策の方向性が決まってくる現実を踏まえ、地域社会に影響する各政党の公約などについてはしっかりと分析をし、それが地域社会にとってどのような影響を及ぼすのか、地域の住民の方々にもしっかりと説明する責任があると思う。


←戻る

▲ページTOPへ