むたい俊介
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長野2区 自民党

【メッセージ】
「エネルギーの地産地消を進める地域の具体的取り組み」
〜生ごみ、紙ごみによるメタンガス発電の取り組みを見て〜

 安曇野市穂高地区でNEDOからの委託研究業務として「先進型高効率乾式メタン発酵システム実験事業」の首尾を、地元の受け皿機関である穂高広域施設組合穂高クリーンセンター事務局長二條久男氏からレクを受ける機会があった。

 このシステムの概要をラフに説明すると、「家庭系ごみ、事業系ごみからバイオマスを分別収集し、それに庭木等の剪定枝を破砕したものを加え、そこから鉄くずなどを除去し、更に収集バイオマスを粉砕機により40mm以下の大きさに破砕し、コンベアーで移送したものにメタン発酵槽からの残さを混合し、乾式メタン発酵槽に投入する。微生物の働きによってメタンガスを発生させ、そのガスを貯留し、ガスエンジン発電装置により電力供給を行い、メタン発酵後に出る汚泥も固形燃料化し、助燃剤として焼却炉で利用する」、というシステムである。

 実験施設は実用の可能性を実証するものであり、規模はそれほど大きくないものの、栗田工業などの最新のバイオエネルギー発生のノウハウを組み込んだシステムとお見受けした。

 平成24年度で実証実験は終了し、実用化に向けての検証が行われ、一定の目途がついたものの、この実験施設自体は解体し、更地に戻すとの話であった。実験期間中には、全国からの視察が相次いだとのことである。

 元々不要物、厄介者と思われていたものを資源化し、エネルギー源として活用する営みが、人知れず安曇野の地で行われているのである。

 家庭系、事業系のゴミがエネルギー資源として活用できるようになると、ゴミ処理施設の規模は大幅に縮小される。あまつさえ、そこから得られるエネルギー源を電力活用できるとなると、日本経済にとっては、一石二鳥の画期的な取り組みとなる。

 克服が難しい原子力発電の課題が浮き彫りになり、それに代替する火力発電用の原油や天然ガスの輸入が我が国の国際競争力に大きな障害となりつつある中で、地域社会にあるエネルギー源を有効に活用する営みは大いに注目に値する。

 一方で、従来活用できなかった褐炭などの低品質石炭を加工・液化する技術が進み、原油に代替する廉価の燃料として火力発電所で活用できるとの報道がなされている。こうした手つかずの原材料を資源化する技術が進めば、エネルギー供給が多様化し、エネルギー供給のリスク分散にもつながる。

 私の身近な地域で言えば、例えば長野県の筑北村は、その昔石炭産出地域であった。当時は、石炭景気で沸いたという話も伺う。科学技術の発達により一昔前の石炭資源を現代に蘇らせることも可能ではないか。

 政府は、長期に亘るエネルギー政策の提示がなかなかできないでいる。そのために、再生可能エネルギーや在来のエネルギー源の利活用に大きく踏み込む体制が出来ないでいる。政府が早期にエネルギーの長期ビジョンを作成し、官民を挙げて各地域に賦存するエネルギー源探索とその利活用に向けて全力を挙げて取り組めば、原子力発電所に代わるエネルギー確保の道は必ず開かれる。

 政府がもたついている間に、全国の自治体は、自らの地域に備わっている多種多様なエネルギー源を探索し、その利活用について精力的に検討する場を早急に作らなければならない。その実例が、我々の意外に身近なところにあり、地域の皆さんもぜひ学習して頂くことをお勧めする。

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